おバカタレント?里田まいさんの読んでいる本
今年は「おバカタレント」なるものがずいぶんと流行ったらしい。私は、スザンヌさんくらいしか記憶に残っていなかったのだが、ある日、別の大学の先生に、「ああいうのをテレビに出して売り出すのは、テレビ局が国民をバカたらしめて情報操作をしやすいようにしているのではないか?」といった主旨の珍説を聞かされたことがあった。そのときは、「昔のバカやっているタレントは、本当は頭いいって言われていたのにね」みたいな話になったが、実は今でもそうらしいという現場をたまたま目撃した。
数日前、たまたまテレビをつけたときの記憶なので、もしかしたら記憶違いがあるかもしれないが、たしかおバカタレントと言われている「里田まい」さんがトーク番組に出演して、持ち歩いている鞄の中をスタジオで公開するというようなシーンがあった。持ち物のひとつが、一冊の書籍だったのだが、その本は何と、本田靖春さんの『誘拐』(だったと思う)!漢字もろくに読めないようなおバカにはとても読める代物でない。そもそも、本田さんは高名なジャーナリストだが、すでに故人で流行作家でもないのだから、おそらく他のいろいろな本を読まないと本田さんの書籍を手にしないはずだ。何をもって「おバカ」というかは別にして、20歳くらいで本田さんの本を読むのは、少なくとも並みの大学生以上の知的レベルには到達しているであろう(里田さんは自身のブログによれば24歳らしい)。
もっとも、「おバカ」で売っているタレントさんが、実はそうした硬い本を読んでいるという事実を明かすことは、商売的にはまずいことであったのかもしれない。番組でも、里田さんがひとこと「私、本は読むんですよ」と言って、司会者は何も言及せずに次に進んでいた。ちょっと気まずい場面だったのかもしれない。
いずれにせよ、里田まいさんというタレント(私は彼女をその番組で初めて知ったのだが)は「おバカ」を演じているだけで、それは結構知的な作業に違いない。私の24歳のときよりはずっと知性が発達していることは間違いないと思う。紅白歌合戦にも出るらしいので、そのつもりで見ようと思う。


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