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December 2008

おバカタレント?里田まいさんの読んでいる本

 今年は「おバカタレント」なるものがずいぶんと流行ったらしい。私は、スザンヌさんくらいしか記憶に残っていなかったのだが、ある日、別の大学の先生に、「ああいうのをテレビに出して売り出すのは、テレビ局が国民をバカたらしめて情報操作をしやすいようにしているのではないか?」といった主旨の珍説を聞かされたことがあった。そのときは、「昔のバカやっているタレントは、本当は頭いいって言われていたのにね」みたいな話になったが、実は今でもそうらしいという現場をたまたま目撃した。

 数日前、たまたまテレビをつけたときの記憶なので、もしかしたら記憶違いがあるかもしれないが、たしかおバカタレントと言われている「里田まい」さんがトーク番組に出演して、持ち歩いている鞄の中をスタジオで公開するというようなシーンがあった。持ち物のひとつが、一冊の書籍だったのだが、その本は何と、本田靖春さんの『誘拐』(だったと思う)!漢字もろくに読めないようなおバカにはとても読める代物でない。そもそも、本田さんは高名なジャーナリストだが、すでに故人で流行作家でもないのだから、おそらく他のいろいろな本を読まないと本田さんの書籍を手にしないはずだ。何をもって「おバカ」というかは別にして、20歳くらいで本田さんの本を読むのは、少なくとも並みの大学生以上の知的レベルには到達しているであろう(里田さんは自身のブログによれば24歳らしい)。

 もっとも、「おバカ」で売っているタレントさんが、実はそうした硬い本を読んでいるという事実を明かすことは、商売的にはまずいことであったのかもしれない。番組でも、里田さんがひとこと「私、本は読むんですよ」と言って、司会者は何も言及せずに次に進んでいた。ちょっと気まずい場面だったのかもしれない。

 いずれにせよ、里田まいさんというタレント(私は彼女をその番組で初めて知ったのだが)は「おバカ」を演じているだけで、それは結構知的な作業に違いない。私の24歳のときよりはずっと知性が発達していることは間違いないと思う。紅白歌合戦にも出るらしいので、そのつもりで見ようと思う。

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「情報社会論」の講義

 年末に、勤務先の創価大学から、新たに2つの仕事を与えられた。創価大学社会学会の紀要『ソシオロジカ』の編集の仕事と、「情報社会論」の講義である。この講義はこれまで、非常勤講師の先生にお願いしていたのだが、その先生が急にできなくなり、「この時期に新しい非常勤講師を選ぶことはできない」との理由で私にお役目が回ってきた。

 他大学でも似たような講義は持ったことがないので今、授業の構成などについていろいろと思案中だ。教科書はアルビン・トフラーの『富の未来』(講談社)を使おうかと考えている。

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札幌で講演

 いろいろと事情があって、12月14、15日に札幌で開催された新聞、印刷関係の労働組合の会合で講演をさせていただいた。講演の主旨は、欧米の新聞社の動向を紹介しつつ、欧米と日本の新聞産業を比較する、といったものだった。私の講演の内容はたいした話ではなかったと思うが、その後の組合の皆さんが行った現状報告が、私にとってはたいへん勉強になった。

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麻生総理の反転攻勢?

 麻生総理がこれだけマスコミから嫌われるとかえって応援したくなるようなことを書いたら、たまたまその日に麻生総理の緊急経済対策が発表された。同日は、新テロ法、金融法も成立し、本来なら麻生総理の反転攻勢の日となるはずだったが、メディアの評判は必ずしもよくないらしい。私が見た範囲では、与党税制大綱のとりまとめでたばこ税などもふくめて自分の主張を押し通せなかったことを強調していた新聞が多いようだ。麻生総理はもともと党内基盤が弱い上に、どうかんばっても参院を民主党に握られて法案が通り難い状況なのだから、強いリーダーシップを発揮しろといってもできるわけがない。にもかかわらず、指導力をはっきできないことで麻生総理を叩いているマスコミは無責任極まりない。

 麻生総理はどんなにたたかれても、だらだらと粘る以外にやりようがないだろう。予算成立前に解散するということは、自民党が本当に崩壊することを意味するはずだ。それが必ずしも悪いことではないのだろうが、自民党の総裁としてはとるべき行動でないだろう。

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「政局 実は『麻生ペース』」?『産経』12月3日

 メディアでは、麻生総理おろし一色という様相を帯びている。テレビでも、自民党の反麻生的な議員が出て、早く解散しろなどと煽っている。こういう状況をみるとあえて麻生総理を支援してみたくもなる(同じ学習院大学出身ということもあるが)。

 『産経新聞』(12月3日)には花岡信昭・客員編集委員の「政局 実は『麻生ペース』」という論説が掲載されていた。主な中身は、次のようなものだ。小沢・民主党が優勢なように見えるが、小沢氏は結局自民党を早期解散に追い込めず、05年の郵政選挙で惨敗したため政党助成金も少ない民主党は兵糧攻めにあって苦しんでいる。麻生総理の失言問題などは一時的なもので、政党支持率の調査でも、実は自民党が民主党を上回っているケースもある。来年5月の連休明けまでの政治スケジュールはもう決まってしまっており、表面的な見方とは裏腹に、政局は麻生ペースで進んでいるとみてよい。主旨はだいたいこんな感じだろう。

 総選挙を行えば、前回の郵政選挙でとった議席よりは減るのは当然で、そうなったら、自民党と公明党では何も決められない状態になる。そうした現状で、相手党首の誘いに乗って「早期解散」に打って出るというのは、自ら政権を投げ出すことにほかならない。自民党総裁としては政局的な判断から、当面は解散を先延ばしにするのは当然だろう。この間の日曜日の「サンデープロジェクト」で渡辺喜美・元行革担当大臣が、早く選挙をやって、その後に大連立、という主旨の話をしていた。早期解散を望む議員は、自民党を解体して政界再編をもくろんでいるのだろう。それが必ずしも悪いわけではないが、自民党の総裁としては、そうした議員の挑発に乗れないのは当然のことだ。

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新銀行東京

 新銀行東京のずさんな経営とその責任についてマスコミは報道しており、それは全く正当だが、今のようなときこそ、新銀行東京が本来期待されていた役割を果たすべきなのではないのか?責任追及もよいが、新銀行東京が期待される役割をしっかり果たしているのかどうかも監視してほしいと思うがどうだろうか。

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ロバート・M・エントマンのcascade modelについての論文

 先日、ロバート・M・エントマンのcascade modelという、メディアの政治的影響に関する理論モデルを題材にした論文の原稿を、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所の紀要『メディア・コミュニケーション』に提出した。昔の日本の研究者はよく「横のものを縦にしているだけ」と批判されたようだが、日本のジャーナリズム研究では、海外の研究動向を紹介するということもろくに行われていないように思える。私はもう少し謙虚に海外の研究動向を紹介するような作業をすべきだと考えている。そこで、今年の3月には、「CNN効果」という理論仮説についての論文を2つ発表した。今回はまた別の理論モデルを紹介し検討する原稿を書いた。エントマンのモデルについて紹介する部分が多く、読んでいただける方は、「書評のようだ」との印象を持つかもしれない。それは、まずは海外の研究動向を丁寧に紹介したうえで、自分なりの観点から検討するという、私なりの意図を持ってのことだとご理解いただきたい。

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